仁祖(インジョ)は復讐の鬼と化した/朝鮮王朝人物実録4

このエントリーをはてなブックマークに追加

[仁祖(インジョ)の人物データ]

仁祖の生没年/1595~1649年
仁祖の在位期間/1623~1649年
仁祖の父/定遠君(チョンウォングン)
仁祖の母/具(ク)氏

写真=植村誠




骨肉の争い

朝鮮王朝の14代王・宣祖(ソンジョ)は1567年に15歳で即位した。1592年には豊臣軍による朝鮮出兵があり、朝鮮王朝は存亡の危機を迎えたが、戦乱は1598年に終結して宣祖は復興に力を入れた。
朝鮮王朝が安定を取り戻すと、今度は宣祖の後継者問題が熾烈になった。
候補の筆頭は、宣祖の長男の臨海君(イメグン)だったが、彼は戦乱時に加藤清正軍の捕虜になり、その屈辱から精神的に乱れてしまった。
代わって評価を高めたのが二男の光海君(クァンヘグン)で、彼は豊臣軍に対抗して戦功をあげていた。はからずも、朝鮮出兵によって、2人の息子の評価が対照的になったのである。
1608年、宣祖が世を去ったあと、15代王になったのは光海君だった。
しかし、王位は安泰とはいえなかった。結局は光海君が王位に就いたあとも骨肉の争いが続き、その過程で臨海君と永昌大君(ヨンチャンデグン/光海君の異母弟)が殺されてしまった。




それでも、光海君は安心できなかった。彼は薄氷を踏むような気持ちで王座に座っていたのである。
そんな光海君をにらみ続けていたのが綾陽君(ヌンヤングン)だった。彼は光海君の甥にあたる人物である。
(ページ2に続く)

仁祖(インジョ)の生涯1!綾陽君(ヌンヤングン)の即位

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(16代王・仁祖編)

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(15代王・光海君編)

仁祖(インジョ)!何度も王宮から逃げ出した国王

仁祖(インジョ)はなぜ光海君(クァンヘグン)の斬首を拒んだ?

ページ:

1

2 3

関連記事

  1. 鬼のような文定(ムンジョン)王后/朝鮮王朝人物実録6

  2. 超話題の『マンガでわかる!韓国時代劇のすべて』!

  3. 憎まれすぎた悪女の張緑水(チャン・ノクス)/朝鮮王朝人物実録8

  4. 英祖(ヨンジョ)は偏屈な王だった/朝鮮王朝人物実録3

  5. 傲慢で執念深い燕山君(ヨンサングン)/朝鮮王朝人物実録9

  6. わがまま放題の粛宗(スクチョン)/朝鮮王朝人物実録5

  7. 非道な王位強奪を強行した世祖(セジョ)/朝鮮王朝人物実録10

  8. 中宗(チュンジョン)は不本意な王だった/朝鮮王朝人物実録2

  9. 光海君(クァンヘグン)の栄光と転落/朝鮮王朝人物実録1

PAGE TOP