韓国テレビの地上波はどのように発展したのか

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韓国を代表する地上波のテレビ局といえば、KBSとMBCとSBSの3つ。経営スタイルはそれぞれ違う。KBSは公共放送、MBCは政府が出資して民間で運営する半官半民、SBSは完全な民間放送となっている。




韓国テレビ界の歴史

韓国のテレビ局の歴史的な経緯を見てみよう。
日本では1953年にテレビ放送が開始されたが、韓国は8年遅れて始まった。当時は国営だったKBSが1961年にテレビ放送を始めている。そのKBSは、1973年に特殊法人によって公社化された。
MBCがテレビ放送を開始したのは1969年だった。当時は純然たる民間放送局だった。それがなぜ政府の干渉を受けたのか。
実は、当時は他にも東洋放送(TBC)という民間放送局があった。1970年代はKBS、MBC、TBCが3大放送局だったのだ。
その頃、放送局の有能な社員の仕事の1つが、釜山(プサン)の旅館にこもることであった。それは、地理的に近い九州のテレビ放送を受信するためだった。
そのときに見た番組は少しだけ企画を変えて、韓国の放送局で有力なコンテンツに早変わりした。つまり、日本のテレビ番組を模倣することで、韓国はテレビ放送のノウハウを覚えていったのである。




韓国の放送局の状況が大きく変わったのが1980年だ。当時の軍事政権は、メディアを意のままに操るために、放送局の再編を断行した。仕方なく、TBCはKBSに吸収されてしまい、MBCも株式を軍事政権に握られた。
こうして民間放送局は消滅し、放送されるのは政府に都合のいいニュースばかりになった。
1987年に韓国で民主化が達成されると、放送業界にも春がやってきた。1990年に放送法が改正されて、民間放送の開局が可能となった。
その結果、1991年には完全な民間放送局としてSBSが誕生。以後、公共放送のKBS、半官半民のMBC、民間のSBSという3大放送局体制となった。
現在のKBSには“KBS1”と“KBS2”があるが、それは、かつてTBCを吸収した結果だ。公共放送なのに“KBS2”でCM放送が行なわれているのも、民間放送を取り込んだ名残なのだ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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