韓国ドラマ『ペントハウス』は、富裕層のセレブのみが暮らしている超高級タワーマンションを舞台にプライドのぶつかり合い、残酷な復讐劇が繰り広げられるサスペンスドラマだ。不倫、暴力、いじめ、何でもありの目まぐるしく状況が変化するドラマでもある。
いったい誰が善良な人間なのか?
セレブとは程遠い家庭に育ったぺ・ロナ(キム・ヒョンス)はチョンア芸術高校の声楽家に入学したいのだが、母のオ・ユニ(ユジン)の大反対にあう。
だが、ロナは反対を押し切り、声楽教師チョン・ソジン(キム・ソヨン)のレッスンを直談判するためにソジンを訪れる。
そこで、引き留めようとするユニとソジンは因縁の再会をする。
ユニも声楽家を夢見ていたが、ソジンに首を傷つけられて断念せざるを得なかったのだ。
ソジンは100階建ての超高級タワーマンション、ヘラパレスに住んでいる。
ある日、このヘラパレスのパーティの最中に一人の女の子が転落死する。
それを偶然にヘラペレスの最上階のペントハウスに住むシム・スリョン(イ・ジア)が目撃してしまう。
スリョンはヘラパレスでは唯一、品が良く優しい性格の女性のようだ。
そのスリョンが目撃した転落死は果たして自殺なのか? 他殺なのか?
スリョンの夫チュ・ダンテ(オム・ギジュン)、彼は見るからに怪しい。
ダンテはJKINGホールディングスの会長で表向きは良いが、裏では双子の子供たちを虐待し、暴力的な夫だ。
ソジンも怪しいし、ヘラパレスの住人がみんな関わっているような……。
その子供たちも親の期待に応えなくては、と他人を蹴落としていく。
転落死した女の子へのいじめも度を越している。
そして、いじめの対象も次々と変わっていく恐ろしさ。
『ペントハウス』は、韓国ドラマにありがちなセレブの生活、親子の関係、ドロドロ不倫、いじめ、出生の秘密、暴力、カーチェイスさながらの運転、何でもありのドラマだ。
シリーズ1はとても長いのだが、1話が30分程と短いので、あっという間に1話が終わってしまう。
その1話にぎっしりと話が詰め込んであるので飽きずに次から次へと夢中になって見てしまう。
何かしら変化があるのだから、見逃しはできない。
ソジン役のキム・ソヨンは美しい女性だ。
その美貌を生かしたソジン役はゾッとするほど冷酷で、見事な悪女っぷりとなっている。
このソジンの不倫相手であるダンテ役のオム・ギジュン、彼もすごい!
眼鏡の奥の瞳、片方がつりあがった口元の薄笑い、暴力などなど。怖い!怖すぎる!
ドラマを見ている人を全員敵に回していることだろう。
それにしてもこのドラマは、展開が早くて騙し合いもいつばれるかハラハラする。
誰が良い人なのか?
こんなに登場人物がたくさんいるのに、普通の良い人を見つけるのが難しいドラマも珍しいのでは?
1話見たらもう途中ではやめられない。
私も寝不足の日が続いている。
見る人は覚悟が必要かもしれない。
文=須坂のりこ