時代劇『テバク』ではトンイはどう描かれたか

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チャン・グンソクが主演した『テバク』。劇中で描かれるのは、朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)から21代王・英祖(ヨンジョ)までの時代。チャン・グンソクが扮するのは、王子として生まれながらも捨てられてしまったテギル。結局は最下層の身分のイカサマ師になるのだが、弟でもある国王・英祖に対して国家を賭けた一世一代の大勝負を仕掛ける。

写真=韓国SBS『テバク』公式サイトより




テギルが捨てられた経緯

物語の展開で気になるのは、テギルが王子でありながら捨てられてしまった経緯だ。それは、父親の粛宗が「自分の息子ではないのでは?」と疑念を抱いたからだという。
その背景を語るうえで欠かせないのは、テギルも英祖も粛宗の側室だった淑嬪崔氏(スクピンチェシ)の息子であったということだ。
淑嬪崔氏といえば、時代劇『トンイ』の主人公になった女性だ。劇中では“トンイ”と名付けられていたが、それは制作したイ・ビョンフン監督が創作した名前であり、歴史的には淑嬪崔氏として知られる。
史実を見ると、彼女は1693年の秋に粛宗の王子を産んでいる。それが永寿君(ヨンスグン)なのだが、名前の意味に反してわずか2カ月で早世してしまった。
その翌年、再び淑嬪崔氏は粛宗の王子を出産した。それが後の英祖であり、淑嬪崔氏は王の実母という栄誉を受けることになった。
チャン・グンソクが扮するテギルは架空の人物だが、物語のうえでは、永寿君の生まれ変わりのような扱いになっている。つまり、永寿君はわずか2カ月で世を去ったのではなく、粛宗の命令によって捨てられたのだ、という設定なのだ。




ここで重要なのは、粛宗が自分の息子と確信できなかったから捨てたということだ。淑嬪崔氏は粛宗の側室だったが、朝鮮王朝時代に側室が王以外の男性の子供を産むということはまったく考えられない。
それなのに、なぜ粛宗は疑念を抱いたのか。
実は、淑嬪崔氏は時代劇『トンイ』で思慮深く誠実な善人として描かれていたが、『朝鮮王朝実録』(朝鮮王朝の正式な歴史書)を丹念に読むと、イメージと違う実像が浮かび上がってくる。
実際、淑嬪崔氏の言動が様々な政変を引き起こしている。そういう意味では、朝鮮王朝の裏舞台で暗躍した女性、と思われても仕方がない。
さらに、彼女には金春沢(キム・チュンテク)という愛人がいた、という噂も当時の宮中を賑わせていた。
何よりも、史実と違う善人物語が好きなイ・ビョンフン監督が制作した『トンイ』のイメージを持ったまま『テバク』を見ると、視聴者も淑嬪崔氏の描かれ方の違いに戸惑うことだろう。




同時代の女性なら張禧嬪(チャン・ヒビン)が典型的な悪女として有名だが、史実を知ると、淑嬪崔氏は張禧嬪を上回る悪女であった可能性が高い。
果たして、淑嬪崔氏の真実は何なのか。残念ながら歴史書を読むだけではわからない。しかし、ドラマで描かれたような女性でなかったことは確かだ。

文=「ロコレ」編集部

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