韓国ドラマの中でよく見かけるシーンの1つ……新婚旅行から帰って来た翌日、新婦が朝からチョゴリを着て朝食の支度をしています。日本から見れば、「そこまでチョゴリを着なければいけないのか」と思いませんか?
礼儀作法の1つ
チョゴリは韓国女性の正装です。冠婚葬祭の時には、その場面に合わせたチョゴリを選んで着ます。
確かに、日本でも昔は着物を普段着として着ていたように、韓国でも日常でチョゴリを着ていました。しかし、今となっては普段着でチョゴリを着る人はいません。
それでも、例外があります。
その数少ない例が、新婚旅行のあとのチョゴリなのです。夫の実家に入った直後の新婦は朝からチョゴリを着て台所に立っています。韓国ドラマでよく見かける場面です。
儒教文化が色濃く残る韓国では、目上の人に対する礼儀作法を、幼い頃から徹底的に教えられます。
そして、女性たちは、自分が将来結婚する夫のお母さん(姑)に対する礼儀作法も身に付けるのです。
新婚生活でチョゴリを着るというのは、まさにその礼儀作法の1つです。
日本から見れば「なぜチョゴリを着ているのか?」と不思議ですが、あえて家事に向かないチョゴリという正装をすることで、新しく夫の家に入る者として、「これから先も礼を尽くして生きていきます」という意思表示をしています。
また、新婚生活のスタートということで、近所にご挨拶に行く機会がとても多いかもしれません。
そうした場合に備えて正装のチョゴリを着ているとも言えます。
ただし、最近の若いカップルの中には、両親と同居しないケースも増えてきました。2人だけの場合でも、友人から送られたチョゴリを着ることが多いようですが、このチョゴリは儒教的な意味合いよりも、なかなか新婦のチョゴリを見ることができない新郎の要望(?)に応えたサービスといえるかもしれません。
また、夫婦がともに働いている場合は、新婦といえども勤務がありますので、チョゴリ
を着ることはできません。韓国独自の風習も時代によって変わってきました。
文=「ロコレ」編集部