韓国tvNで放送されたドラマ『二十五、二十一』の主演はナム・ジュヒョクとキム・テリ。物語は、韓国が経済危機に見舞われた1998年をメインにして、過去と現在がからんでくるという二重のストーリー構成になっている。
哀愁を感じさせる表情
物語の始まりは1998年だった。
キム・テリは、フェンシングに取り組む女子高校生のナ・ヒドを演じている。国家代表になるという大きな目標を叶えるために努力していく。
そんなナ・ヒドを励ますのが、ナム・ジュヒョクが演じるペク・イジンだ。
彼はもともと裕福な家庭の御曹司だったのだが、経済危機によって父親は破産し、一家はバラバラになってしまった。
そんな苦境にめげず、ペク・イジンは精進していく。
1998年といえば、韓国が経済危機で大変な時期だった。
そんな状況の中で生き抜くペク・イジンを演じたナム・ジュヒョクは、すばらしい存在感を持っている。哀愁を感じさせる表情の一つひとつにドラマ性があるのだ。
また、『二十五、二十一』ではキム・テリの高校生役が称賛された。彼女の幅広い役作りは見事であった。
そうであれば、41歳のナ・ヒドをキム・テリが演じても、なんの違和感もなかっただろう。むしろ、キム・テリがそのまま演じたほうが、納得できた視聴者がはるかに多かったはずだ。それなのに、なぜ制作陣はあえて別の女優(キム・ソヒョン)を起用したのだろうか。
その意図は終盤になるとわかってくる。キム・テリとは別な女優が40代を演じたからこそ、「時の流れ」が如実に感じられるようになるのだ。
それを確認できるのも終盤の一つの楽しみだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)+「ロコレ」編集部
『二十五、二十一』礼賛!/第2回「各話のエンディングが素晴らしい」