監督、脚本家、俳優が三位一体となって珠玉のドラマが出来上がっていくが、その中でも『二十五、二十一』はとてつもない傑作だ。そして、特筆すべきはヒロインのキム・テリの巧みな演技力である。
凝りに凝った作り
どんなにドラマが好きで数多く視聴していても、心にずっと残る究極の作品は誰でも数本しかないとすれば、『二十五、二十一』はその数本に割って入ってくるドラマだと思える。素直にそう感じることができる。
さらに、各話のエンディングがとてもいい。
連続ドラマの場合、視聴者に次回も見てもらいたいので、各話のエンディングは凝った終わり方になる。制作側が「いかにも何か特別な仕掛けがありますよ」という雰囲気を漂わせ、静止画像をもって各話が終わるというのが韓国ドラマの常套手段である。
実際、これだけ韓国ドラマを見ていると、各話のエンディングは「そんなに特別でもないことが多い」というのがわかっているのだが、『二十五、二十一』はまったく違う。本当に、凝りに凝ったエンディングになっていて、ストーリーの展開と映像の鮮烈さが際立っている。
それゆえ、『二十五、二十一』は「最後の5分」が終わったときの余韻がずっと心に残る。それは、なんと心地よい快感であることか。
また、『二十五、二十一』では、30代のキム・テリが10歳以上も年下の高校生ナ・ヒドをハツラツと演じて、不自然な雰囲気をまるで感じさせなかった。
本当にすばらしい演技力だった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)+「ロコレ」編集部