新刊『朝鮮王朝の歴史と人物』で韓国時代劇を理解する1「王の名前」

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韓国時代劇の歴史背景がわかりやすく説明されているのが『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』(康煕奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)である。この本の一部を掲載して、韓国時代劇の理解に役立つ知識を紹介しよう。第一回は「王の名前」だ。

『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』(康煕奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行/1000円+税)




それぞれの名前の意味

27人いる朝鮮王朝の王。その名前を見ると、最後が「祖」「宗」「君」の3つにわかれている。それぞれに意味合いが異なっている。
実は、私たちがいま王の名として呼んでいるのは諡〔おくりな〕である。別の言葉では諱〔いみな〕とも言う。つまり、王の死後に贈られた名前で、生前にこう呼ばれたことはなかった。
ただ、「君」がついている2人(10代王の燕山君と15代王の光海君)だけは違っている。この2人は在位中に追放された王で、まともな諡がなかったので、王子時代の名前がそのまま残って「君」がついている。
一方、「祖」と「宗」は立派な諡。この違いは何だろうか。
諡のつけ方には原則があって、多大な功績があった王に「祖」、徳があった王に「宗」をつけていた。
たとえば、朝鮮王朝を作った初代の李成桂〔イ・ソンゲ〕は太祖。これは王朝の創設者によくつけられる諡だ。その他に「祖」がついているのは、世祖〔セジョ〕、宣祖〔ソンジョ〕、仁祖〔インジョ〕、英祖〔ヨンジョ〕、正祖〔チョンジョ〕、純祖〔スンジヨ〕の6人。異民族の侵略から国を守ったという功績が認められて「祖」がついている場合が多い。




また、英祖と正祖の2人は、最初「宗」がついていて英宗や正宗となっていたのだが、後に改めて「祖」が贈られて英祖や正祖になった。これは、諡の昇格といえるかもしれない。
逆に、「祖」が贈られなかった場合に、諡に「宗」がついた。こうした名前が一番多くて基本形だったといえる。
このように、名前のそれぞれの違いがわかると、より親しみをもって王の名前を覚えられるかもしれない。

構成=「ロコレ」編集部

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