時代劇に新しいテイスト
米国留学の経験もあるイ・ソジンだけあって、演技の中で小技を駆使する洒落た手法を取り入れている。
それは、時代劇に新しいテイストを加える効果があった。
さらに、ドラマの終盤を見て、驚いたことがある。
なんと、正祖が眼鏡をかけるシーンが登場するからだ。「風景の中に電信柱があった」とか、「腕時計をしていた」など、「時代劇あるある」話のようだが、これは史実どおりだという。
それによると、正祖は朝鮮王朝で初めて眼鏡をかけた王で、死去する1年ほど前から使ったとされている。その姿に、側近たちも驚いたらしい。病に倒れたときの正祖は48歳。年齢で考えれば、老眼鏡ということになるだろうか。
快活なイ・ソジンにとって、晩年の正祖は演技の難しい年齢層だったかもしれないが、この眼鏡シーンににじませた「老いゆく王の演技」もなかなか渋いものがあった。
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