人なつっこい正祖の印象を再現
夕刻で撮り直しもできず、編集でカットを命じたイ・ビョンフン監督だが、そのシーンを見た編集担当者に「これは本当に面白いですよ」と言われ、そのまま放送することになった。
ネットでも話題になり、好意的な反応が多かった。
この話には続きがある。
正祖は後に親友のソンヨン(ハン・ジミン)を側室に迎えるのだが、祝いの式の際、宮殿の回廊で出会った両人がお辞儀をするシーンで、イ・ソジンがまたまた「ウインク!」をしたのである。
これを見たソンヨンはクスクス笑い出してしまった。
イ・ビョンフン監督は「NG!」と叫び、イ・ソジンをきつく叱った。さすがに「厳粛な祝いの式でウインクはまずい」と判断したのだ。
ところが、編集室で見てみると、台本通りの演技より、ウインクしたNGシーンの方が2人ともイキイキしていた。
結局、またウインクシーンがオンエアされた。
まさか、朝鮮王朝時代にウインクはなかっただろうが、人なつっこい正祖のイメージをこの仕草だけで一発で表現したのはさすが。イ・ソジンの巧みな表現力が、時代劇の常識を打ち破ったシーンだった。
構成=「ロコレ」編集部
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