『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』でコン・ユが扮した主人公のキム・シンは、高麗時代から900年以上も生き続けている人物だった。しかも、胸に剣が刺さったままなのだ。奇怪な設定で一歩間違えるとキワモノ扱いされそうだが、コン・ユの存在感があったからこそ、『トッケビ』は重厚なファンタジー作品になっていた。
人間はどう生きるのか
『トッケビ』が描く世界は変わりすぎている。
人間が900年以上も生きているし、ドアを一歩出れば地球の反対側になってしまう。しかも、特定の人に見える幽霊や魔術的な死神まで現れ、空想と現実が行ったり来たりしている。
そういう展開になったのには理由がある。「生」と「死」が交差する世界で人間はどう生きるか、ということがテーマになっているからだ。
印象的なセリフがある。
「人間は生まれ変わって四度の人生を経験する。一度目は種を植え、二度目は水をやり、三度目に収穫して、四度目に食べる……」
このセリフも、輪廻転生を繰り返しながら人間が何かを悟っていく過程を暗示しているかのようだ。
もちろん、中心に位置していたのは、900年以上も生きるキム・シンだ。この主人公を演じたコン・ユは、何を心掛けていたのだろうか。
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