移ろっていく季節の中で
キム・シンは、ただ茫然と立ち尽くしているわけではなかった。900年の重みに耐えながら究極の選択を迫られていたのだ。
その姿を演じるコン・ユは185センチほどの長身だ。広告ブランドで1位になるくらい立ち居振る舞いが絵になっている。
そんな彼が美しい背景の中で立っていると、まるで絵画の世界に入り込んだような気分になってくる。
実際、『トッケビ』の映像の美しさは際立っていた。
色鮮やかな紅葉の季節やピュアな空気に包まれた雪の季節……そのように移ろっていく季節の中で、深い悲しみを抱えたまま立ち尽くすキム・シンを演じたコン・ユ。彼にしかできない独特な存在感を『トッケビ』の中でずっと見せてくれていた。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
『トッケビ』から2年!黄金の40代に入るコン・ユの情熱とは?