韓国では「朝鮮王朝時代」の評価がどう変化したのか

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ドラマ大国とも呼べる韓国で、「時代劇」はドラマの重要なジャンルになっている。その時代劇の舞台になるのは圧倒的に朝鮮王朝時代だ。この時代の政治・文化や生活習慣は今の韓国でどのように評価されてきたのか。

過去の否定

最初に明確に言えば、1980年代までの韓国では朝鮮王朝に対してマイナスのイメージが強かった。
たとえば、朝鮮王朝時代後期の政治的な混乱によって朝鮮半島の近代化が遅れて、それが植民地になった原因だと考えていた人が多かった。
もう一つは、1960年代以降に韓国政府が進めた急激な経済開発政策も大きく影響していた。
朝鮮戦争以来、資源も技術もなかった韓国は国をあげて経済発展をめざし、すべてを新しいものに変えようとした。




そうした政策のもとで、「過去のものは悪いもので、新しいものこそ価値がある」という風潮になった。実際、開発優先主義で多くの文化財が壊され、合理的・効率的という基準から伝統の生活習慣が軽視されるようになった。
もちろん、貧しかった当時は何よりも経済発展が重要な課題だったのだが、前に進むことばかりをめざしたため、朝鮮王朝時代の素晴らしい遺産まで捨ててしまう残念な結果を生んでしまった。
そうした「過去の否定」に変化はあったのだろうか。(ページ2に続く)

〔総集編〕韓国はなぜ日本の植民地になったのか

韓国は日本の植民地時代をどう生きたのか(前編)

韓国ドラマの根幹をなす「恨(ハン)」とは何か

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