非常に変化が激しい韓国社会だが、2017年は北朝鮮問題や朴槿恵(パク・クネ)退陣騒動などがあって、まさに激動の1年だった。その中で特に影響を受けたのがテレビ局であった。
ストライキに突入
2017年は韓国でも歴史に残る1年になった。
何と言っても朴槿恵大統領(当時)が弾劾(だんがい)によって罷免させられた。そこに至る過程では、国民の怒りが爆発した。
序列社会の韓国で、絶大な権力をもつ大統領が、怪しげな民間女性に後ろから操られていたというのは信じられない出来事であった。結局、朴槿恵大統領は退陣後に逮捕され、その側近たちもこぞって収監されている。
これほど極端な政治不信は前代未聞と言っていい。逆にそれが文在寅(ムン・ジェイン)政権の追い風になり、5月にスタートした新政権は、ずっと高い支持率を得たまま国政を担った。
その文在寅政権が、過去の問題を洗い出す中で大きな影響を受けたのがKBSとMBCである。
KBSは公共放送であり、MBCは政府が出資して民間が運営する半官半民だ。つまり、両方のテレビ局は政府の干渉を受けやすいのである。
特にMBCは、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵と続いた保守政権時代に人事面で政府に干渉され、2017年に前社長が逮捕される事態に至っている。そういう混乱の中で、KBSとMBCでストライキが行なわれ、制作現場は大混乱に陥った。(ページ2に続く)
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