韓国の哀しみは韓国にいないとわからない

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私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)は、9月下旬に韓国を訪ねて、ソウルから地方まで韓国らしい秋の風情を味わった。ケジャンやチゲを堪能して人情あふれるもてなしを受けたのだが、いま振り返ってみれば、やはり韓国が置かれている立場を考えざるをえない。

中国の影

韓国の秋の空はどこまでも澄んで美しい。
まさに「天高く……」という表現がぴったりだ。
しかし、2017年は9月下旬の晴れた日でも、「あの、いつもの空」が見られなかった。
「中国の大気汚染の影響ですよ」
ソウルに住む人がそう言った。




もう一度、秋の空を見上げてみる。抜けるような透明感がない。
中国の大気汚染の影響なのかどうかはわからない。言っている人にも明確な根拠があるとは思えないのだ。
しかし、あれほど黄砂がソウルにやってくるのだから、北京を曇らす汚染物が風に運ばれてきても不思議ではない。
それよりも、なんでも中国のせいにする韓国の人の言い方が妙に心に残った。
歴史の積み重ねが、それを言わせるのではないのか。2000年以上にわたって中国の影に怯えてきた過去が、現在の韓国人にも感情の澱(よど)みをもたらしている。(ページ2に続く)

〔総集編〕韓国はなぜ日本の植民地になったのか

韓国は日本の植民地時代をどう生きたのか(前編)

韓国人が考える本当の「謝罪」について

韓国ドラマの根幹をなす「恨(ハン)」とは何か

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