大きな夢を持って精進する若者たち
何よりも韓国では、国・地域・家といった集団の価値が個人よりも上であると考えられがちだ。
その結果、社会では、「少数」または「目立つ存在」を寛容的に見る傾向がいまだに弱いのだ。
これは、他人のことに強く興味を持って関わろうとする韓国人の特質も影響している。人に意見をして自分の考えに合わせようとする習慣が韓国では根強い。こうした風潮の中で、芸能界をめざす人は、家族の反対を押し切って夢に向かわなければならない。結局、日本以上に韓国では、芸能界をめざすのにハードルが高いのだ。
さらに難題なのが、韓国では人件費が現実的な水準まで上がっていないことだ。アルバイトだけで生活することは、ほとんど不可能と言わざるをえない。
物価は上がる一方なのに最低賃金などの人件費は変わらない。そのために、音楽や演劇をやりながらアルバイトで生活するというのは不可能に近い。
どの国でも音楽や演劇だけで食べていけるのはほんの一部で、多くはアルバイトなどをして生活を支えていくが、韓国ではそれさえもできない。
そんな苦しい状況の中でも、大きな夢を持って音楽や演劇に精進している若者たちがいる。その中から未来のスターが誕生する。その若者たちに大きなエールを贈りたい。
文=「ロコレ」編集部