「公平の原則」は守られているか
特に、芸能人の兵役に厳しい目を向けているのが、現役兵としての兵役を終えた男性たちである。
彼らは、韓国に生まれた男子の義務として軍務に就き、21カ月の兵役を終えて除隊した。軍務が過酷であればあるほど、それをやり終えた誇りが大きいのである。
その気持ちが強すぎるがゆえに、たとえば「アクションをこなしている俳優が社会服務要員になっている」「早く兵役に就けばいいのに、入隊延期を繰り返している」「徴兵検査で兵役免除になっている」といったケースについて、批判的な声を大にするのだ。
また、自分の息子を兵役で入隊させている母親も、芸能人の兵役を注視している。「芸能人もうちの息子と同じようにやってほしい」という意識が働きやすいのだ。
誰もが知っているように、最近は兵役期間中に立派な成績を挙げる芸能人が多い。彼らは芸能人だからといって特別な待遇を受けているわけではない。そういう意味では「公平の原則」はしっかり守られている。
しかし、自分の兵役体験に誇りを持っている男性や、自分の息子の兵役が心配な母親は、芸能人の兵役について厳しい目を向けがちだ。その動向が世論に影響を与えることは十分に考えられる。
文=康 熙奉(カン ヒボン)