解説!韓流スターと兵役生活「第2回」

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通常の訓練とは別に軍隊がよく行なっているのが対民支援だ。これは、軍隊が民間に協力するという意味合いを持っている。軍隊の駐屯地はほとんど地方にあるが、軍隊はその近辺の農村に出かけて行き、田植えや稲刈りなどを集団的に手伝う。

シルム(韓国相撲)の大会で強さを競う兵士たち(写真/韓国陸軍公式サイトより)




 一番マッコリが美味しいのは?

どの地方でも農業は若者が不足していて年配者が多い。軍人が農業の支援を行なうことは農村にとって助かるのだ。そういう作業をした後には、農民たちから御礼としてマッコリなどが振る舞われる。
それは兵士にとってありがたい話だ。宿舎は原則的に禁酒になっていて、ほんのわずかな懇親会を除けば兵士たちは宿舎の中でお酒を飲むことはできない。
対民支援のときにマッコリを振る舞われるのはあくまでも民間人の心遣いであり、それをありがたく受ける。作業が終わった後のマッコリの美味しさは忘れられないだろう。
「軍隊のときに何が美味かったか」
そういう話が除隊後の酒の席で出たりするけど、「対民支援のときのマッコリが一番美味しかった」と言う人もかなりいる。
さらに、軍隊の大事な作業として位置づけられているのが災害救援活動だ。韓国も日本と同じように梅雨があるが、豪雨のときは各地に水害による被害が及ぶことが多く、そのときは軍人がたくさん駆り出されて、救援活動や復旧活動に従事する。




それは、国民に軍隊の存在を知ってもらううえでも重要な作業だ。また、国土を守るのが軍人の使命であり、水害や天災などが起こる度に軍人が積極的に支援活動に出て行くのは軍隊の義務であるともいえる。
軍隊では、兵士の体力鍛練とストレス解消にとてもいいということでスポーツが奨励されている。週に一度は軍務の代わりにスポーツ活動を行なう場合も多い。野球、サッカー、バスケットボール、シルム(韓国相撲)など、韓国でも人気のある競技がよく行なわれるが、その中で一番人気あるのがサッカーだ。
その理由は、サッカーが持っている「あまりコストがかからない」という利点が効いている。
ボール1つあれば大勢の兵士たちが一緒になってプレーできるし、練兵場という恰好のグラウンドもある。サッカーでチームワークを養うという面でも非常に効果的なのだ。
ただ、軍隊でサッカーをやるので、試合をしても全員が平等というわけにはいかない。やはり、上官とサッカーをするときに厳しいプレーはできないし、上官に対しては階級上の気遣いをしながらプレーをしなければならない。心からサッカーを楽しむというより、うまく人間関係を見ながらそつなくプレーをする必要がある。




たとえば、自分が得点できるところでも上官に機会を譲ったり、上官が対戦相手のフォワードとして攻めてきたときに、多少の手加減をするのが軍人サッカーである。つまり、実力だけで勝敗が決まるのではなく、上官の多いチームが勝つのだ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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