厳しい師匠に育てられた
黄喜に実力を買われた金宗瑞は、国境の防衛を任され異民族の撃退で大きな成果を生んだ。その後、金宗瑞は軍の要職などを歴任するようになり、そこでも目覚ましい活躍を続けた。
しかし、優秀な金宗瑞にも欠点があった。それは、私生活のだらしなさである。金宗瑞は朝廷ではいつも酒のにおいを漂わせ、公費の無駄遣いまでしていた。師である黄喜はその度に彼を呼び出し、徹底的に叱りつけた。
周囲の人たちは、要職に就いている金宗瑞に厳しい黄喜を批判するようになった。だが、黄喜は金宗瑞の育成のためだと言い放ち、常に彼に対して厳しく接し続けた。その甲斐があって、金宗瑞は名実ともに立派な人物へと成長していった。
弟子の実力を認めた黄喜は、自分の地位を託して引退した。彼ほど王朝の明日を案じた高官は他にいなかっただろう。
1450年、世宗は体調を崩し死の淵にいた。
病床の世宗には心残りがあった。それは、「自分が死ねば王位をめぐって争いが起こるのでは……」という心配だった。(ページ3に続く)
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