金介屎の最期
1623年、光海君が王となってから15年が過ぎた。その間に起こった骨肉の争いにより多くの血が流れた。側近たちが行なったことだが、光海君は多くの人々から怨まれていた。
いまにも反乱が起こりそうな空気が渦巻いていたが、金介屎はそれに気づいていない。側近が、政変に対する備えの必要性を光海君に訴えても、金介屎は「心配ありません」と光海君に何度も言い続けた。
1623年3月12日にクーデターが起こった。首謀者は宣祖の孫の綾陽君(ヌンヤングン)だ。彼は、弟の綾昌君(ヌンチャングン)が謀叛を企てた罪で処刑されたことで、光海君に怨みを抱いていた。
うかつにも、クーデターが起こったときの対策を取っていなかった光海君は、慌てて王宮から逃げ出すが捕えられ、江華島への流罪となった。
王の陰に隠れて何人もの命を奪った金介屎。多くの人々から怨まれていた彼女は、光海君が廃位にされた後、誰からも同情されることなく斬首された。金介屎は、女官という立場でありながら多くの悪事を働いたために、「悪の女官」と呼ばれ続けている。
文=康 大地【コウ ダイチ】
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