まだ燕山君のほうが罪が軽い
仁穆王后は強硬に言った。
「逆魁は悪行のかぎりを尽くした。どうして、燕山君と比較することができようか」
仁穆王后にしてみれば、暴君の燕山君のほうがまだ救いようがあるというわけだ。
歴史的に言えば、悪行に関しては虐殺を繰り返した燕山君のほうがひどかった。しかし、仁穆王后は、燕山君のほうが罪が軽いと信じきっているのだ。
それほど、彼女にしてみれば、光海君は極悪人であり、首をはねないことには復讐が完結しなかった。
仁穆王后は命令口調で言った。
「かならず光海君の首をはねてみせる」
しかし、綾陽君はやんわりと断り続けた。
「仮にも王であった人の首をはねるわけにはまいりませぬ」(ページ5に続く)
貞明(チョンミョン)公主の生涯1!『華政』(ファジョン)の主人公