歴代大統領の末路は哀れ
朴槿恵は大統領官邸で育ったが、1974年には記念式典で父親を狙った銃弾が母親に当たって亡くなり、5年後には父親も暗殺された。どれほどの悲しみだったか。それなのに、手のひらを返すように大統領官邸を追われている。
いかに朴槿恵がその後に辛い生活をしたかは、容易に想像できる。妹との不和も伝えられていて、そういう意味では、本当に孤独な女性なのだ。
そうであるがゆえに、崔順実のように海千山千で、とにかく利権をうまく見つけるような人に取り込まれる危険性があった。
孤独で友人が少なかった朴槿恵。彼女の人間を見る目はどうだったのか。あるいは、側近たちが権力に集まってきている中で、優秀な人を見分ける力はどうだったのか。疑問符をつけざるをえない。
いずれにしても、現実の大統領は序列1位であって、絶大な権力を握っている。しかし、歴代の大統領たちの末路はいつも哀れである。
それでも、韓国の序列社会は変わらない。誰もが自分の立場を確認しながら保身に走っている。
なぜ、ここまで序列に左右されるのか。518年間続いた朝鮮王朝の呪縛と言わざるをえない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)