退任後の歴代大統領の苦境
韓国は北朝鮮と厳しく対峙しているだけに、リーダーシップを持った強い大統領の出現を期待する国民感情があるのは確かだ。それが、これまでの大統領制度の維持につながっている。
しかし、歴代大統領が退任後に親族の金銭疑惑で窮地に立たされる、という状況がひんぱんに起きている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に至っては、それを苦にして自殺までしている。
1392年から1910年まで続いた朝鮮王朝時代には、高級官僚が特権を利用して蓄財に励んだという歴史がある。そういう風潮が現代にまで残っているのは確かで、大統領という一番強い権限を保持した人もその例外ではない。
ただし、朴槿恵大統領は親族が少ないだけに歴代大統領とは違って金銭面では「クリーン」と見られていた。それなのに、怪しげな民間女性に操られるという、別な意味で国民の激しい怒りを買うという結果になった。(ページ4に続く)