国民は黙っていられない
さらに国民感情を悪化させたのが、大統領ともあろう人が友人の女性に指図されたり国家機密文書を渡していたりしたという事実だ。
「国を率いていくトップの人間が怪しげな民間人の操り人形になっていたなんて……。こんな恥ずかしいことはない」
国民の怒りは増すばかりだ。
もともと、朴槿恵大統領の政治手法には批判が多かった。人の意見に耳を貸さず、独断的に人事を進め、自分は大統領官邸に引きこもっている。「これでは国民のための政治はできない」という不満がいつも国民の間でくすぶっていた。
その末に起きたのが今回のスキャンダル。1987年の民主化闘争の勝利に代表されるように、伝統的に韓国では反政府デモが多かった。それが最近は静まっていたのだが、今回のあきれた事態には、さすがに国民も黙っていられなかった。(ページ3に続く)