危機感を強める飲食店
公務員だけではない。
これまでの韓国では、新聞社の記者が取材相手から小遣いをもらったり、食事代を融通してもらうことがあまりに多かった。特に、要職にある者は記事に手心を加えてほしくて記者を優遇した。
こうした現実が国民から批判を受け、ついに「金英蘭法」が成立するに至ったのである。果たして、これで韓国社会の病巣が一掃できるだろうか。
一方で、困り果てているのが飲食店である。「金英蘭法」の対象者は400万人もいると推定されている。この人たちが接待の飲食を控えるようになったら、お店としても大打撃であろう。
そこで、飲食店側も知恵をしぼった。法律で禁止される会食は3万ウォン以上。そこで、法律内の3万ウォン未満のコースメニューを作る高級飲食店が続出した。今までより大幅な価格ダウンだが、背に腹はかえられない。生き残りに必死なのだ。
いよいよ施行された新法によって韓国社会はどう変わるか。どんな法律にもウラがあるものなのだが……。
文=康 熙奉(カン ヒボン)