目の輝きに惹かれた
勘の良さが彼の持ち味。周囲から愛される性格も、俳優人生を後押しした。
そして2000年。彼はユン・ソクホ監督に指名されて『秋の童話』に主演した。ユン・ソクホ監督は、何よりもソン・スンホンの目の輝きに惹かれたという。
「演技は経験を積めば上達するが、その人が持っているイメージだけは天性のもの。私はそのイメージを大切にしています」
さすがに、名監督は感性が違う。ユン・ソクホ監督は『秋の童話』でソン・スンホンの目のアップを多用した。それがソン・スンホンの最大の魅力だと知り尽くしていたからである。
この『秋の童話』がアジア各国で人気を集め、ソン・スンホンは韓流スターとしての地位を固めた。出演依頼が殺到する中で、『冬のソナタ』を大成功させたユン・ソクホ監督は『夏の香り』で再びソン・スンホンを指名。彼は意欲的に役作りを行ない、髪を染め、さらに洗練された優しさをアピールした。
ユン・ソクホ監督がこだわった四季シリーズの4作品。その中で二度も主演したのはソン・スンホンだけだった。ユン・ソクホ監督がどれほどソン・スンホンの目の輝きを高く評価していたかがわかる。
(次回に続く)
文=康 熙奉(カン ヒボン)