第14回/ソン・スンホン(前編)
今秋に韓国と日本で放送が予定されている『師任堂(サイムダン)、色の日記』。大女優のイ・ヨンエが『宮廷女官 チャングムの誓い』以来、13年ぶりにテレビドラマに復帰することで大きな話題を呼んでいるが、その相手役を堂々と務めるのがソン・スンホンである。
タフな精神力を持った強い男
俳優は、誰もが多様な役を幅広く演じることを望む。それは、俳優の性(さが)なのであり、固定化されたイメージを嫌うのが宿命でもあるのだ。
しかしながら、幅広い演技をこなすのは容易ではない。ファンがいったん心に焼き付けた俳優のイメージは、そう簡単に覆るものではなく、その先入観がややもすると俳優を臆病にさせる。
けれど、そんな閉塞感から勇気を持って抜け出す俳優もいる。
たとえば、ソン・スンホン。
彼は繊細で優しい感性で世に出て、四季シリーズの作品を通してそのイメージを決定的にしたのだが、今はタフな精神力を持った強い男の存在感を示している。
彼は、どのようにして、劇的にイメージを変えたのか。(ページ2に続く)