社会性が本人の成長を促す
広報団での活動は、ステージで歌と踊りを披露する機会が多い。それだけに、日々の練習が欠かせない。それは、K-POPのスターにとっては、とても役立つことだ。
ソンジェもはっきり言っている。
「歌手生活の感覚を失わないでいることができたので幸運でした」
この言葉には実感がこもっている。
しかも、利点はそれだけではない。社会的な意識そのものが変わるのだ。
校内暴力やイジメをなくすために学校をまわって生徒たちと触れ合う中で、より良い社会のために自分が何をなすべきかを真剣に考えるようになる。その中で、広報団のメンバーは社会性を身につけていく。
「自分1人で生きているわけではない。みんなで助け合うのが社会だ」
そういう意識を強く持つようになるのである。ソンジェも学校をまわりながら、社会と自分とのつながりを深く考えただろう。
彼は復帰後にファンに向かって「死ぬまで一緒にいてください」というメッセージを発したが、この切実な言葉も、兵役を経験してファンのありがたみが骨身にしみた結果なのであろう。
実際、ソンジェは兵役前と後では自分の性格が少し変わったと言う。もともとはせっかちなタイプだったのに、なにごとも余裕を持って対応できるようになったそうだ。
この変化は大いに歓迎すべきことだ。一言で言えば、辛抱強くなったということだろう。自由がきかない兵役期間中にソンジェは我慢することを覚えた。これも彼の人間的な成長につながるだろう。
文=「ロコレ」編集部