壊せば壊すほど面白くなる?
観客動員数は1270万人。韓国人の4人に1人が見た計算だ。チェ・ドンフン監督は2作続けて記録的な大ヒットを記録したことになる。
さらに、この監督が凄いのは、『10人の泥棒たち』で得たであろう大金を、『暗殺』の制作費として惜しげもなく使ったことである。
彼はこう言っている。
「映画でお金を儲けたいなら、このように(『暗殺』のように)撮影してはいけません」
なんと痛快な言葉だろう。
逆に言えば、スッカラカンになる覚悟で『暗殺』では経費をかけまくったということだろう。
確かに、映画の中の街並みが凄い。
よくぞ、ここまで再現したと思う。
しかも、それをアクションシーンで破壊しまくっている。街並みだけではない。集めた貴重なクラシックカーも次々に吹っ飛んでいる。
「すべてぶち壊せ。街も車も……。壊せば壊すほど映画が面白くなる」
そんなチェ・ドンフン監督の叫びが聞こえてくるような気がする。(ページ4に続く)