ひたすら山ごもり
とにかく、突飛な行動を取るのである。
数々の奇行の中でも特に思い出されるのが「不可解な山ごもり」だ。
それは、ペ・ヨンジュンが主演した『太王四神記』(2007年制作)で、チェ・ミンスが大長老という怪人を演じた後の出来事だった。
チェ・ミンスは忽然と姿を消してしまったのである。
ことの起こりは、2008年4月だった。チェ・ミンスはソウル市内で車を運転しているとき、ちょっとした行き違いで年配者に暴力をふるうという事件を起こしてしまった。公の場で土下座して謝罪した彼は、以後すべての俳優活動を自粛して山にこもり、ひたすら反省の日々を過ごした。
当初はほどなく復帰すると思われたのに、彼は山ごもりをやめず、ずっと1人で過ごしていた。
まるで仙人のような生活を続けたのである。
多くの人が説得に向かった。
「早く山から降りてきて、俳優に復帰してください」
みんながそう願ったのだが、チェ・ミンスは首を縦に振らなかった。(ページ3に続く)