ユンホの人気が凄まじい
デジタルパターンの韓国陸軍の迷彩服のメンバーが出てくると、会場が色めき立った。ユンホの左胸には特級戦士の証がついていた。曲調はまるでK-POPで、音楽番組の中で歌われてもおかしくないような、これまで私が抱いていた軍歌のイメージと全く違うものに仕上がっていた。
4人それぞれの見せ場で歓声があがったが、ユンホが前に出て歌いだすと打ち上げ花火のように「わぁー!」という声が瞬間に沸き上がったまま止まらなかった。
ユンホの人気のすごさが分かった。
「誇らしい大極旗と自分の名前を抱いて、誰よりもっと強い姿で僕たちの祖国、僕たちの民族、僕が守るんだ、守れるんだ」
という歌詞が印象に残る。
耳に馴染みやすいノリの良いメロディラインと息の合った迫力のある群舞。軍の命を受けてパフォーマンスする中にユンホらしさを取り入れる余地があったのかないのか分からないが、それでもトップにあがってくるところや、観客をあおるようなところ、様々にユンホならではというスパイスがちりばめられていたと思う。
長身のユンホがワントップのV字のフォーメーションで、眼光鋭く素早く敬礼する振り付けで終わった。
姿が見えなくなっても客席のざわざわが止まらない。興奮した空気がしばらくおさまらなかった。
陸軍初の試みは成功したようだった。
(後編に続く)
文・写真=M.Takahata
写真=B.Park