このまま第3師団の配属か
行軍のときに、余力が残っている新兵は誰もいない。それでも、最後の力をふりしぼって行軍をやりきらなければならない。
いわば、究極の精神力を試されるのが行軍だと言えるだろう。
それをやりきると、兵士としての自信が沸いてくる。
すべての訓練が終わった夜には、「お疲れさま」の親睦会が開かれ、みんなが健闘を讃えあう。
翌日には終了式が行なわれて、全員の胸に二等兵の階級章が付けられる。
ゴニルの場合も、これから行軍を行なうことになるのだろうが、それを立派にやりとげて修了式に臨むはずである。
また、彼は第3師団で新兵訓練を受けたので、このまま第3師団の配属になる可能性が高い。その場合、修了式には親族が参列し、修了後に面会時間があって、ゴニルも親しい人たちと貴重な時間を過ごすことになるだろう。
その日まで、残りわずかだ。ゴニルの健闘を祈りたい。
文=康 熙奉(カン ヒボン)