MBCには義理があった
様々な記事がスポーツ新聞を賑わせている中で、ペ・ヨンジュンはまず学業より俳優活動を優先させることを決断した。それは、アメリカで得た俳優としての感性をぜひ実際の撮影現場で試してみたかったからだ。「オール優」を獲得するほどペ・ヨンジュンは学業に熱心に取り組んできたのだが、しばらく休むことにした。
こうなると、次の決断は「KBSにするか、MBCにするか」ということだ。
実際、ペ・ヨンジュンはKBSで育てられた俳優と言っていい。『愛の挨拶』でデビューしてから、『若者のひなた』『パパ』『初恋』『裸足の青春』と、ずっとKBSのドラマに出演していた。特に専属契約を結んでいたわけではなかったが、ペ・ヨンジュンはデビューから自分を引き立ててくれたKBSに心から感謝し、ずっと同局のドラマに出演していたのである。
ただし、『裸足の青春』以後、ペ・ヨンジュンとKBSの間がギクシャクして、彼が内定していたKBSのドラマを降りるという出来事もあった。
KBS側は「ペ・ヨンジュンが共演者のキャスティングに口を出してくる」と不満をもらし、ペ・ヨンジュン側は「誤解であり、口を出したことはない」と弁明したのだが、両者の関係は修復できなかった。
しかも、KBSのあるPDは「今後はペ・ヨンジュンをKBSのドラマに出演させない」と明らかにしたこともあった。
こうした状況の中で、ペ・ヨンジュンはKBS以外で初めてのドラマに出演することになった。それが1999年の『愛の群像』であった。「イルガン・スポーツ」が記事の中で「義理のあるMBC」という表現を使ったのもそのためである。
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