溺愛される息子たち
私の祖母も生きているときは、私の弟のことをとても大事に可愛がっていました。それに不満を感じた私は、つい言葉に出して反抗したことがあります。
けれど、返ってきた言葉は、「長男は私が死ぬと祭祀をしてくれる孫だよ。あなたは嫁に行っちゃうと終わりでしょう。しょせん娘は他家のものになるのだから」と言われました。
祖母が、私に気づかれないようにこっそり弟にお小遣いをあげる光景を何回も見て見ないふりをしました。
悔しかったです。知らないうちに私は女性として男性に被害意識を持つようになったのかも。
両親や祖父母に溺愛されて育ってきた息子たちは、男という強いプライドを持つようになります。その意識がどんどんエスカレートして女性を見くびったりもします。自分が家庭の中心になっていくのを当たり前だと受けとめるようにもなります。
さらに、韓国の男性を駄目にしているのが兵役義務ではないかと思います。
義務とはいえ、決して皆が喜んで軍隊に入るわけではないのですが、どうやら軍隊は男の考え方をもっと堅くさせてしまうところがあります。
何よりも、軍隊は男を男らしくしてくれるところだと世間はよくおだてます。実際、軍隊に入る前と除隊した後の姿を比べると、確かに男は変わってきます。起きやしない戦争に備えて毎日身体を鍛えているものだから、皆がますますマッチョになっていくのは当然です。
さらに、上下関係で成り立つ軍隊での生活ではまったく個人の意見はなく、一方的な命令に服従する主従関係があるのみです。これによって、しまいに皆同じ考えをもつようになります。つまり、韓国の男性は兵役を通して同じ考え方にまとまってきたのではないかと思います。(ページ3に続く)