日本のコリアをゆく(広島・鞆の浦編2)

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まるで山水画

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朝鮮通信使が見た風景もこれとほぼ同じだっただろう

正使を含めて賛成派の8人が言った。

「十六目で見ると、ここがやっぱり一番だ」

そう断言したのだが、通詞(通訳)は「十六目」の意味がわからなかった。それを尋ねると、「それは8人のことだ」と言って一同は大笑いしたという。

そして、正使らは従事官の李邦彦に命じて、「日東第一形勝」と書き留めさせた。この場合の日東とは日本のことである。

この逸話によって、鞆の浦は景勝地として有名になった。それほど「日東第一形勝」の揮毫は印象深かったのだが、実際は3枚の紙を継いで墨で書かれている。




最初は額に入れて部屋に掲げていたが、年月とともに傷んでしまったので、木額に模刻して原紙は丁重に保管するようになった。つまり、私が見ていた「日東第一形勝」の扁額は、後に作られたものなのである。

それでも、書体の妙を十分に味わうことはできる。実際、大広間の窓側に座して海を見ると、狭い水路の向こうに、重なるように島々が見えている。正面の島が弁天島と仙酔島、その右に玉津島が浮かんでいる。

特に、窓枠を額縁に見立てると、すばらしい山水画を見ているような錯覚に陥る。「日東第一形勝」と称賛する気持ちもよくわかる。(ページ3に続く)

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