日韓関係を変えた「韓流の贈り物」

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ヨン様の来日フィーバー

BAE

初来日のときのペ・ヨンジュン

『冬のソナタ』の好評ぶりに気をよくしたNHKでは、全20話の放送が2003年9月に終わったあと、同年の12月に同じくBSで1日に2話ずつ2週間の集中放送を行なった。ここでも反響が大きかった。

そして、ついに『冬のソナタ』の地上波放送が決定した。NHKの総合テレビで2004年4月から放送が始まり、これに合わせてペ・ヨンジョンが来日した。羽田空港には5000人以上のファンがつめかけたが、熱気に満ちた光景は「壮観!」の一言だった。

ここから本当の『冬のソナタ』の大ブームがスタートしたのだ。




とても印象的だったのは、ペ・ヨンジョンが空港ロビーに出てきたときの「こんなに多くの人たちが……」という感激ぶりだ。

その恥じらいが、日本の女性ファンの心を射止めた。同じく空港での来日シーンでも、余裕たっぷりに堂々とふるまうハリウッドスターとは物腰が違った。

あらためて、謙虚な彼に惹かれた日本人が多かった。それはまた、アジアの価値観を共有するスターの登場を強く印象づけた瞬間だった。

韓流に目覚めた女性たちは、自ら積極的に行動を始めた。追っかけをする、韓国のロケ地を訪ねる、情報を得るためにパソコンを覚える、ファン同士でオフ会を数多く開いて交流する……など。その姿を揶揄する一部の保守的な人がいたことは事実だが、そんな偏見を吹き飛ばして、韓流ファンは日本に元気をもたらした。

韓流ブームは間違いなく、欧米一辺倒だった人たちが隣国に目を向ける好機になったのである。(ページ3に続く)

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