仲間と一緒に乗り越えていく
続いて、手榴弾の扱い方と投げ方を学ぶ。
実戦を想定した訓練ではマンツーマンでついた教官が「安全ピンを抜け」「投げろ」と命令を出し、それに従って素早く行動する。かなり危険をともなう訓練だ。
次に、正確な銃の撃ち方を学ぶ。25メートル先のマトに正確に当てるための訓練を徹底的に行なうのである。
その後、遊撃訓練が何度も実施される。地面に這いつくばったうえで、障害物を乗り越えながら移動して、仮想の敵を見つけたら、うつ伏せになった状態で銃を構えて撃つ。
銃が地面につかないように抱えながら移動するのは困難を伴い、日常生活にはまったくない動きなので、それに慣れるまで大変な苦労がある。
そうした訓練を繰り返していくと、もう全身が筋肉痛で夜も痛みが消えないのだが、それは自分だけでなく同じ訓練をしている誰もが経験していること。必ず乗り越えていかなければならない苦痛なのである。
自分だけが辛ければなかなか乗り越えることはできないが、「一緒に訓練を受けているみんなと一緒に乗り越えていくんだ」という気持ちがあると、それが強い精神力となって厳しい訓練を無事にこなせるようになる。
さらに、テントを張って宿泊する野営訓練が行なわれる。ここでは、素早くテントを張ったり畳んだりすることを覚えていく。
(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)