2006年の『ファン・ジニ』に続いて、2008年には『快刀ホン・ギルドン』で再び時代劇に出て、今度はガラリと違う役柄に挑んで成功している。
翌年には『美男<イケメン>ですね』で大ブレーク。韓流若手スターのトップに躍り出た。
多様な役柄をこなせることは、彼が出演した多彩な作品群が証明している。2012年にはユン・ソクホ監督と組んで『ラブレイン』に主演して、『ファン・ジニ』当時を彷彿させるピュアなイメージを再現した。
ただし、視聴率のうえでは『ラブレイン』以降、韓国で苦戦しており、チャン・グンソクとしても苦しい時期が続いたのは間違いない。
それだけに、今回の『テバク』の主演は期するところが大きいだろう。
このドラマが決まったとき、彼はこう述べている。
「この2年間、大学院に通いながら臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の姿勢で自分を振り返ってきました」
このように、辛抱に辛抱を重ねてきたというのだ。今はようやく、その苦労が報われるときが来たのだ。しかし、本当に「報われた」と実感するためには数字がほしいところだ。つまり、視聴率のうえでも成功をおさめたい。
チャン・グンソクは1987年生まれなので、兵役の年齢計算で今年は1年を通して29歳と認定されている。兵役を延期するにはリミットとなる年齢である。当然ながら、『テバク』に主演したあとに兵役入りを念頭に置かなければならない。
『テバク』が空白期間の前の最高の置き土産になるのかどうか。共演陣と制作陣は申し分ないし、チャン・グンソク自身も意欲がみなぎっている。
あの『ファン・ジニ』から10年。『テバク』がチャン・グンソクのキャリアに大きな足跡を残す作品になってほしい。
(文=「ロコレ」編集部)