- Home
- 過去の記事一覧
カテゴリー:韓国紀行
-
韓国・南西岸への旅9「青山島に行くフェリー」
韓国もさすがである。ウナギ鍋という発想に拍手だ。ウナギの身が柔らかくなりすぎて、鍋の中でしだいにグチャグチャになってしまうことを嫌がる人もいるかもしれないが、煮るほどに味がしみてまろやかになるのは確か… -
韓国・南西岸への旅8「ウナギ鍋」
黄色い軽トラックが国際書林の前で停まり、長身の青年が私を迎えにきてくれた。ていねいに礼を言って店を出ようとしたら、すでに女性は先ほどのように自分の世界に入って新聞を読んでいた。彼女の頭の中には、もう私… -
韓国・南西岸への旅7「国際書林という書店」
莞島(ワンド)の漁港の前の大通りを渡ると、そこは市場になっていた。細い道の両脇に、食料品の店が重なるように軒を並べている。魚と肉が入り交じった臭いにあおられて奥まで進むと、市場が尽きたところにごく小さ… -
韓国・南西岸への旅6「莞島港の風景」
魚を見て回る度に、威勢のいいアジュンマから盛んに声を掛けられる。けれど、一人旅の途中に活魚を買ってもどうにもならない。「大丈夫、ホラ、食べるところがあるから」。そう教えられて市場の端を見ると、湯気がも… -
韓国・南西岸への旅5「活魚海産物センター」
デッキの端に立ち、フェリーが接岸する様子をずっと見ていた。いきなり、「パーン」という凄まじい衝撃音が起こり、船を繋ぎとめておくためのロープが、フェリーから岸に向かって打ち放たれた。そのとき、本当にヒヤ… -
韓国・南西岸への旅4「ようやく莞島港に着いた」
船尾のベンチに座って漠然と後ろの海を見ていたときのこと。灰色のハンチングをかぶり白い靴を履いた70代の男性が横に座り、「先生様」と渋い声で呼びかけてきた。年上の大先輩から「先生様」と言われて恐縮した。… -
韓国・南西岸への旅3「船旅はとてもいい」
船の中で、安らげる居場所を求めて大部屋の間をウロチョロした。すでに客室では、あちこちで花札が始まっていた。各人が目の前に紙幣を積んでいる雰囲気はまるで賭場のようであり、紙幣も千ウォン札より1万ウォン札… -
韓国・南西岸への旅2「いよいよ出航」
そもそも韓国ではインスタントコーヒーを「こんなに砂糖を入れてどうするんだ」というくらい甘くして飲む人が多い。それにしても、その男は極端だった。あれでは砂糖入りコーヒーではなく、コーヒー入り砂糖湯である… -
韓国・南西岸への旅1「済州港から始める」
済州(チェジュ)港の旅客ターミナルは、早朝だったこともあって人もまばらだった。午前7時50分発の船なので、まだ50分ほど時間があった。食事をしようと思い、三つ並んだ食堂の中で一番無難な店に入った。 … -
追憶の済州島紀行11「耽羅国の歴史」
先に触れた三姓人の話はあくまでも神話にすぎないが、耽羅国が実際に良(梁)、高、夫という有力な氏族によって統治されていたことは間違いない。島の政治は三氏鼎立によって成り立っていた。 [captio…