いざ入隊の日時が決まったら、どんな準備をしておけばいいのか。入隊時に持ち込んではいけないのは何なのか。入隊直前から入隊後までの一連の流れを説明しておこう。
頭髪は3センチ以下
兵役の実務を担当する兵務庁から入隊の通知がきたら、その入隊日に向けて準備を進めていく。
長い間一般社会から離れるので、その間に仕事上の不都合が起きないように整理しておくことが肝心だ。
同時に、入隊が近くなると、連日のように送別会が開かれる。韓国では、すでに兵役を終えた先輩が入隊予定者を餞別がわりに風俗店に連れていくのが伝統になっている。しかし、韓流スターはつつしんで辞退しなければならない。それがスターたる者の定めなのである。
ひととおり送別会が終われば入隊となるが、かならずしなければならないのが髪を短くすることだ。一応、頭髪を3センチ以下のスポーツ刈りにする決まりになっている。
また、入隊当日はしっかりと両親に挨拶をしなければならない。「チョル」と言われる韓国式のお辞儀をして、両親にしばしの別れの挨拶をする。それから、家族や友人と一緒に入隊場所に向かうのである。
陸軍の場合、新兵訓練所は合計で24カ所ある。一番大きいのは韓国中部の論山(ノンサン)にある陸軍訓練所。ここに入隊する人が多いが、その他に、各地の師団にも新兵教育隊がある。
陸軍訓練所に入隊する場合、入所式は毎週月曜日の午後から行なわれることがほとんだ。よって、月曜日の昼に入隊するのが一般的である。
入隊するときは誰もが私服である。入隊後に体育着や軍服の支給を受けるわけで、着てきた私服は後に宅配便で自宅に送られることになっている。軍隊に入る以上、地味な服装で訓練所に来るのが一番無難だろう。
入隊日の午後に訓練所の練兵場で入所式があるが、この式は両親や友人も観覧することができる。
しかし、そこまでである。整列した新兵たちは入所式が終われば、そのまま兵舎に連れていかれる。
観覧席ではハンカチで涙をぬぐう両親や恋人の姿があちこちで見られる。今生の別れではないが、両親や恋人も涙が止まらないのである。
新兵も後ろ髪を引かれるが、センチメンタルになっているわけにはいかない。いよいよ厳しい軍人生活が始まる。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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