韓流20周年特集/ペ・ヨンジュンは冬ソナをどう演じたのか6「情を大切にする」

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『冬のソナタ』の撮影は、2001年12月12日に南怡島(ナミソム)で始まり、2002年3月18日の外島(ウェド)で終わった。3カ月以上にわたった撮影で、ペ・ヨンジュンはずっと疲労の極致にいた。

写真=Pan Entertainment




人生が変わった

ペ・ヨンジュンは南怡島での撮影時から風邪で高熱を発した。以後も睡眠不足と極度の寒さにさいなまれ、心身ともに休まるときがなかった。
しかし、終わってみれば、本当に大きな果実が成っていた。
放送に合わせてその場しのぎの撮影が連日続いたのに、完成してみれば『冬のソナタ』は放送史上に残る傑作になっていた。しかも、国内だけではなく、アジア各国で熱狂的に受け入れられ、主人公を演じたペ・ヨンジュンは韓流のトップスターとして絶大な人気を得るようになった。
ペ・ヨンジュンもしみじみ思ったことだろう……朝起きてみたら人生が劇的に変わっていた、と。
まったく予想外のことが起きるのが人生だとしても、ペ・ヨンジュンの周囲で起こった変化は想像の限界をはるかに越えていた。
「もはや、このからだは自分だけのものではない」




『冬のソナタ』以後のブームの中で、ペ・ヨンジュンは常に「ファンに支えられる自分」を強く意識するようになった。
そんな自分の人生を振り返るたびに、ペ・ヨンジュンは「あのとき」のことを思った。それは、アメリカから戻って、その後の進路について葛藤した日々のことだ。
あのとき、違う選択をしていたら、自分にはどんな人生が待っていたのか。
恩人に報いたいと『冬のソナタ』への出演を決めたのだが、結局はそれが自分をさらに生かす道となった。
損得ではなく、人間としての情を大切にする……そんな人柄があればこそ、ペ・ヨンジュンの前に新しい世界は開けたのである。
(次回に続く)

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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