軍隊では、兵士たちの親睦を深める行事も多い。そうした行事を通して、チームワークを固めていくのである。また、軍隊の中では宗教活動も熱心に行なわれている。特にプロテスタント、カトリック、仏教の場合は、専用の宗教施設が用意されていて、兵士たちは日曜日になると自分の信じている宗教の施設に行って活動を行なう。
宗教活動に熱心な理由
韓国はキリスト教と仏教が国民の間で2大宗教になっているが、それにもまして軍隊では宗教活動が熱心にならざるを得ない事情がある。
それは何かと言うと、宗教活動が終わった後でよくチョコパイや飲料水が振る舞われるのだ。そのおやつと飲み物を目当てで宗教活動に加わっている人も少なからずいる。それを笑う人もいるだろうが、軍隊の中では大変切実な問題だ。そのチョコパイをみんながどれだけ楽しみにしているかを想像してほしい。
あまり美味しいものがない軍隊の中で、宗教の活動後に配られるチョコパイはとても貴重なご馳走である。
だから、そういうものがタダでもらえる宗教活動は大変貴重な場になっている。
韓国の陸軍で一番厳しい訓練と言われているものがある。
それは何か。
冬の除雪作業と越冬訓練だ。
韓国の軍隊が想定しているのは北朝鮮との戦争である。北朝鮮は寒冷地だから、冬の雪や寒さをどう克服するかがとても重要な課題になっている。
同時に、冬の戦闘の場合、補給路を確保することが重要である。そういう事情もあって、補給路を整備するための除雪作業が陸軍では必須となり、そういう訓練をひんぱんに行なうのである。
また、冬の寒さに耐え抜いて戦闘を有利に進めるという訓練を厳寒期に行なう。
たとえば、宿舎を離れて冬の厳しい寒さの中でテントを設営し、その中で野営して何日も過ごすのである。
冬の寒さに耐える訓練は過酷だ。とにかく、寒さは半端なものではない。零下20度になるような場所で凍えながら夜を過ごす辛さは、経験した者でないとわからないだろう。
韓流スターも兵役中はそういう訓練に耐えている。彼らがたくましくなって社会復帰するのも、厳しい訓練を何度も経験しているからに違いない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)