韓ドラ最高峰マイ・ディア・ミスター「第6回/素敵な物語」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

自分が見た映画とドラマの中でベスト1を挙げるなら、映画は『ニュー・シネマ・パラダイス』、ドラマは『冬のソナタ』と決まっている。不動の1位なのだ。映画のほうは順位に変化はないのだが、ドラマのほうは変更があるかもしれない。『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』を見たからだ。

写真=韓国tvN『私のおじさん』公式サイトより




最良のドラマ

どんなに映画やドラマを見続けていても、生き方に深く影響する作品はそう滅多にあるものではない。人生の一時を楽しませてくれたら、それで一応は終わりだ。
しかし、『マイ・ディア・ミスター』の場合は、見終わった後も余韻がずっと残り続けて胸が熱くなる。それほど感銘を受けたドラマだった。
主役はイ・ソンギュンとIU。この2人が親子ほど年が離れた男女としてドラマを彩っている。
イ・ソンギュンが演じるのは、構造エンジニアのパク・ドンフンだ。真面目な性格だが、悩みが多く常に沈んでいる。
そんな彼が勤める企業の派遣社員になったのが、IUが演じるイ・ジアンだ。彼女は不幸な境遇に置かれたままで、借金も背負っている。それゆえにお金で社内工作を請け負うようになり、ドンフンの携帯電話を盗聴する。
それを通してジアンは、ドンフンの私生活を詳しく知るようになり、やがて彼への共感を抱く……。




まずはイ・ソンギュンとIUの演技がすばらしい。そのことを強調したい。
さらに見ていて感心したのは、描かれているエピソードの多彩さだ。その場面は主に2つに分けられる。
1つはドンフンが巻き込まれている社内抗争だ。
社長派と反社長派が激しく対立し、その中でドンフンとジアンが巻き込まれていく。非常にスリリングな展開の連続だ。
もう1つはドンフンの家族愛と地元愛。
ドンフンは三兄弟の二番目で、長男と三男ととても仲が良くていつも一緒に飲み歩いている。
そんな彼らが行く地元の酒場が、うらやましいほど盛り上がっている。酒好きな人なら、誰もがあの酒場で飲みたいと思うことだろう。
こうして『マイ・ディア・ミスター』は社内抗争とドンフンの私生活が縦横に絡み合い、最高の物語に仕上がっている。
1つだけエピソードを加えたい。




ドンフンの兄は清掃業を行なっているが、ビルのオーナーから理不尽な仕打ちを受ける。その末に土下座せざるを得なくなり、愛する母親にその屈辱を見られてしまう。それを知ったドンフンが、ビルのオーナーに仕返しをする場面が痛快だ。しかも大いに泣ける。
こういうエピソードが『マイ・ディア・ミスター』には次から次へと出てきて、見ている人を最良のドラマの世界にいざなってくれる。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

韓ドラ最高峰マイ・ディア・ミスター「第1回/不思議なドラマ」

韓ドラ最高峰マイ・ディア・ミスター「第2回/制作側の心意気」

韓ドラ最高峰マイ・ディア・ミスター「第7回/圧巻の終盤」

必読!「ヒボン式かんたんハングル」

「韓流ライフ」というジャンルの中に、「ヒボン式かんたんハングル」というコーナーがあります。ここには、日本語と韓国語の似ている部分を覚えながら韓国語をわかりやすくマスターしていく記事がたくさん掲載されています。日本語と韓国語には共通点が多いので、それを生かして韓国語の習得をめざすほうが有利なのです。ぜひお読みください。

ページ上部へ戻る