テレビ東京の韓流プレミアで9月1日から始まった『赤い袖先』。9月8日に第6話がオンエアされて序盤が終わった。イ・ジュノとイ・セヨンが主役を演じる珠玉の時代劇はさらにスリリングになってきた。
最悪だった2人の出会い
『赤い袖先』は時代でいうと、1764年から始まっている。
このドラマは「国王と宮女の禁じられた情愛」を題材にしているが、イ・セヨンが演じた宮女ソン・ドギムの視点で、王宮の中の様子が描かれている。
当時、宮女たちは原則的には「国王と結婚した女性」と見なされていた。それゆえ、他の男性との恋愛は厳禁であり、もし妊娠する事態になれば、「国王に対して不貞を犯した大罪」を問われて処刑が免れなかった。
そこまで厳しく自分を律して王宮で働きながら、病気になったり高齢になったりすると、なんの保障もなく王宮を出されてしまう。
そういう「哀しい境遇」というものを宮女たちは抱えていた。
そのあたりを『赤い袖先』はストーリーの中に巧みに取り組んで、重厚な歴史ドラマを作っていた。
そして、序盤のポイントになっていたのは、世孫(セソン)のイ・サンが宮女ソン・ドギムと出会ってから彼女に惹かれていくプロセスだ。ソン・ドギムはイ・サンが世孫と思わずに失礼なことを重ねていく。それだけに、実際にイ・サンが世孫とわかったときの彼女の驚きはあまりに大きかった。なによりも、「騙された」という思いが強かった。
しかし、イ・サンは決して騙したわけではない。ソン・ドギムが勝手に勘違いしてしまうところが多かったからだ。
そういう経緯を経て世孫と宮女として向き合った2人。今後の展開が楽しみだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)