『春のワルツ』でユン・ジェハ役を担ったのがソ・ドヨンである。ジェハは将来を期待される天才ピアニストだが、性格が難しく影を引きずっている。やはり、その生い立ちが影響しているのは間違いなかった。
ピアノ演奏を演じるのに苦労しました
「このドラマにキャスティングされたときは、とにかくうれしかったですね。しかし、主人公になった不安感もありました」
「そんな不安感を振り切るために、本当にワンシーンずつ死ぬ覚悟で最善を尽くしました。私はピアニストの役ですが、実はピアノが弾けません。ですから、ピアノ演奏を完璧に演じるためにとても苦労しました。DVDの音楽資料を繰り返し見たり、実際にピアニストたちの公演を直接見て、多くのことを感じようと思いました」
「一番影響を受けたのは、やはりユン・ソクホ監督からです。オーストリアのロケに向かう飛行機の中で、13時間も監督とたくさんの会話ができました。そして、多くのことを学びました。特に、人生に必要な価値観など……。とにかく、私も監督を見習おうと思っています」
「監督は演技指導をなさるとき、俳優に正解を与えるより、俳優自らが答えを見つけ出すように導いてくださるのです」
「私は演技の面では初心者と変わりませんが、最初から答えをもらっていたら、俳優としてこのように成長していく姿をお見せすることできなかったと思います。俳優たちにもっと良い演技を導き出してくださる方が監督なのです」
構成=「ロコレ」編集部
名作再現『春のワルツ』1/ユン・ソクホ監督インタビュー(前編)
名作再現『春のワルツ』2/ユン・ソクホ監督インタビュー(中編)