『二十五、二十一』記憶の贈り物4「生きてきた20年」

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『二十五、二十一』ではキム・テリの高校生役が称賛された。彼女の幅広い役作りは見事であった。そうであれば、41歳のナ・ヒドをキム・テリが演じても、なんの違和感もなかっただろうと思えたが……(この記事はネタバレを含んでいます)。

画像=tvN




思い出のトンネル

キム・テリが40代のナ・ヒドをそのまま演じたほうが、納得できた視聴者が多かったかもしれない。
それなのに、なぜ制作陣はあえて別の女優(キム・ソヒョン)を起用したのだろうか。
私(康熙奉)はドラマの途中では、制作陣の意図がわからなかった。
しかし、最終回を見て、十分に納得することができた。
ポイントになったのは、思い出のトンネルでナ・ヒドとペク・イジンが「別れのときに言えなかったこと」を改めて語り合う場面だ。このとき、映像はナ・ヒドとペク・イジンをそれぞれ1人だけ映しだしていて、ツーショットが同時にアップで出ることはなかった。
そのシーンは本当に余韻が残る名場面だったが、かつての日記を読み直してトンネルを訪ねた40代のナ・ヒドが、トンネルから出てきたときは若いナ・ヒドになっていて、20年の時間差が絶妙なコントラストになっていた。




もし、この場面で40代と20代のナ・ヒドをキム・テリが両方演じていたら、いくら天才的な女優とはいえ、時間の重さを表現することは難しかっただろう。別の女優が演じたからこそ、ナ・ヒドの「それから生きてきた20年」をリアルに示すことができたし、それゆえになお、若いナ・ヒドの瑞々しさが永遠に記憶されたのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)+「ロコレ」編集部

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