【韓国映画特集】『別れる決心』はサスペンスとロマンスが融合した愛の物語

「巨匠」パク・チャヌク監督の最新作『別れる決心』が2月17日から公開され、TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショーとなっている。2022年 5 月のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞した傑作だ。

繊細な愛が描かれている

『別れる決心』の脚本・監督を務めるのはパク・チャヌク。『オールド・ボーイ』(03)で第 57 回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。その後『渇き』(09)、『イノセント・ガーデン』(13)、『お嬢さん』(16)など世界中で高い評価を得てきた巨匠の 6 年ぶりの最新作となっている。
主演はパク・ヘイルとタン・ウェイだ。
パク・ヘイルは、『殺人の追憶』(03)、『グエムル ~漢江の怪物~』(06)とポン・ジュノ監督作品への出演で一躍注目を集め、ドラマ、アクション、時代劇などキャリアを通して幅広い分野で活躍している。
タン・ウェイは、アン・リー監督『ラスト、コーション』(07)でヒロインを演じ一躍国際的な女優としての地位を確立し、『ブラックハット』(15/マイケル・マン監督)でハリウッドにも進出している。
物語は、刑事ヘジュン（パク・ヘイル）が、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)の調査を開始することから始まる。

取り調べ中に自分を見つめるまなざし、双眼鏡で監視する時に見つけた仕草、時折見せる微笑み……疑惑が深まる度に、ヘジュンは彼女に強く惹かれていく。そしてソレもまた、ヘジュンに特別な感情と思いがけない親近感を抱きはじめる。
本当に魅力的な映画だ。タブーを打ち破るストーリーテリング、素晴らしいキャラクター、官能的な映像美が際立っている。実際、巧みに練られた脚本と名優二人の共演で、刑事と容疑者が惹かれ合うサスペンスとロマンスが見事に融合した繊細な愛の映画になっている。