韓国で放送される恋愛ドラマ。その全体的な特徴はほぼ決まっている。それは、偶然の出会いとハッピーなクライマックスの繰り返し、ということだ。ストーリーの全体像も、人生というのは多くの困難を乗り越えていくものだ、という筋書きになる。それをメロドラマ風に作っていくのが韓国ドラマの特徴だ。
対照的な男女
たとえば、男性の主人公は裕福な家庭の息子が多い。
これは女性の理想の対象とも言える。お金をもっていてハンサムで、まだ20代なのに企画室長をまかされている。
その一方で女性主人公は貧しい生い立ちが多い。
つまり、韓国の恋愛ドラマには境遇が対照的な男女が登場する。極端な生い立ちの2人をくっつけて、様々に対比させていく。
しかも、周りにたくさんの人々が出てきて、主人公の男女にからんでくる。その人間関係を細かく描くのが韓国ドラマのツボである。
もう一つ、重要なことがある。
韓国ドラマの主人公の特徴は、一部の例外をのぞいて、本人には特別な才能があまりない、ということだ。
これが大事なのである。
なぜなら、それによって、周囲の人から数多く助けてもらえるのだ。
そういう意味では、主人公は常に受動的だ。
主人公は受動的だが、それでいい。
そのほうが実はたくさんのストーリーを作れるのである。
なぜなら、主人公が自分ですべての問題を解決してしまったら、長いドラマにはならないというわけだ。
ただし、男性主人公は若くして地位を持っている人。本来はすごく忙しい立場のはずである。
恋愛をする時間がどこにあるのか、とツッコミを入れたくなる。
それなのに、毎日彼女を待ち構えていて、食事をして家まで送り届ける。そんな時間が本当はないはずなのに……。
しかし、ドラマでは登場人物の時間はいつも自由奔放になる。
生活の糧を考える必要もない。
うらやましいかぎりだが、ドラマの主人公たちは現実離れしているほうが、より魅力的になる。
そのことを数多くの名作ドラマが教えてくれる。
文=「ロコレ」編集部
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