ヒョンビンはかつて『シークレット・ガーデン』で大衆性を大いに発揮して大ヒットを飛ばした。そのときのように、ヒョンビンは『愛の不時着』でも北朝鮮の軍人を凛々しく演じて、自身最高のメガヒットを成し遂げた。『韓国ドラマ!愛と知性の10大男優』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/星海社)を通して、ヒョンビンの魅力について迫ってみよう。
2人の相性の良さ
ヒョンビンが『愛の不時着』で扮したリ・ジョンヒョクは、彼が演じてきたキャラクターの中でも印象度が特別な役柄だった。特に、北朝鮮の方言を巧みに話した。
彼には、かつての作品で北朝鮮の刑事を演じた経験があった。それは2017年の映画『コンフィデンシャル/共助』だ。
この作品でヒョンビンは、悪の組織によって愛する妻や同僚を失ってしまった北朝鮮の刑事チョルリョンに扮していた。
ヒョンビンはこう語っていた。
「以前、『コンフィデンシャル/共助』で北朝鮮の特殊部隊の刑事に扮したことがありますが、『愛の不時着』のリ・ジョンヒョクの場合は、軍人的な部分よりはそれ以外の姿をたくさん見せていました。そのあたりは大きく異なっていました」
このように、同じように北朝鮮の男性を演じても、演じる中身には大きな違いがあった。
実際、北朝鮮の刑事を演じた経験はプラスになっていたが、リ・ジョンヒョクを演じるにあたってヒョンビンは、北朝鮮での生活の中で日常的なふるまいを自然に表現しようと心掛けていた。
そこがリ・ジョンヒョクの魅力的な部分であったことをヒョンビンもよくわかっていたのである。
それゆえ、北朝鮮の将校とはいっても任務に就いているときよりアクセントを変えて、ヒョンビンは日常のリ・ジョンヒョクを演じきっていた。
こうして、『愛の不時着』での彼の演技は、とてもメリハリがあるものとなった。さらには、ソン・イェジンとの演技上の呼吸もピッタリで、その後、2人の相性の良さはリアル愛として結婚にも結び付いていった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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