BTSのメンバーが兵役に入ったと仮定する。入隊して最初に受けるのが新兵訓練である。韓国中部の論山(ノンサン)にある陸軍訓練所に入っても、あるいは、軍事境界線に近い最前線の部隊の新兵教育隊に入隊しても、行なう新兵訓練は同じである。
非常に重要な訓練
BTSのメンバーが新兵訓練を始めると、最初に身長・体重などの体格を正確に測定し、それを元に身体に合う生活服の支給を受ける。
そして、健康診断、知能検査、適性検査を経て、軍服や銃を受け取り、正式に連隊入隊式に臨んで新兵訓練が始まる。
最初は軍人としての心構えといった精神教育を受け、敬礼や制式(立ち方や行進の仕方など)の立ち居振る舞いを仕込まれる。また、軍隊式の体操を習ったり、軍歌を覚えたりする。
戦闘技能の訓練に入ると、小銃の操作や管理を学び、次に、銃の構え方やマトの狙い方を練習する。その上で、一番重要な射撃訓練に移っていく。
並行して救急法を学び、化学ガス訓練も受ける。
化学ガス訓練は、専用の部屋に入って催涙ガスを浴びる。非常に苦痛をともなう訓練だが、これは誰もが一度は経験しなければならない。
続いて、手榴弾の扱い方と投げ方を学ぶ。かなり危険をともなうので、教官と一緒に慎重に訓練が行なわれる。
その後は遊撃訓練が実施される。地面に這いつくばって仮想の敵に近づく訓練であり、肉体的にも苛酷である。全身が筋肉痛となり夜も痛みが消えない。それでも辛抱していかなければならない。
新兵訓練の終盤では、テントを張って宿泊する野営訓練、重い荷物を背負って早足で20キロを歩く行軍などが行なわれる。
これをやり遂げることによって、新兵訓練が終わる。
以上が5週間の新兵訓練の中身だ。
さらに、最前線の部隊に入隊した場合は、プラスアルファがある。それは、最前線の部隊の地形が関係している。つまり、アップダウンが多い山岳地帯(あるいは丘陵地帯)に部隊があるので、上り坂を果敢に登っていく体力が要求される。
それゆえ、最前線の部隊での新兵訓練では、体力アップのためのプログラムが付加されるのだ。こうして新兵訓練が終わると、実際の軍務に就いていく。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)